物価高騰はいつまで続くのか【2023年3月】

2023年に入っても物価の高騰が続いています。

2022年10月には過去最多となる6,700品目以上の食料品が値上げされました。
2023年に入っても物価高騰は止まらず、2023年1月~4月に値上げする品目数は累計7,000品目を超えるとされています。
家計はもちろんのこと飲食業への影響も計り知れません。

この物価高騰はいつまで続くのか、解説していきたいと思います。

物価が高騰する理由とは?

物価が高騰する理由は一つではありません。
そのうちのいくつかをピックアップしてみたいと思います。

新型コロナウイルスの感染拡大による生産・供給の減少

各国での封鎖や渡航制限などによって、物流に遅延や混乱が生じ、商品の生産・輸送に影響がでました。
その結果、需要が供給を上回る状況が生じ、物価が上昇する傾向にあります。
新型コロナの影響で、サービス消費からモノ消費への転換が起こったことも理由の一つと言えるでしょう。

エネルギーや原材料価格の高騰

石油や天然ガスなどのエネルギー価格が上昇すると、運送や製造に必要なエネルギー費用が増加し、製品価格に反映されます。
同様に、鉄鋼やプラスチックなどの原材料価格が上昇すると、製品価格が上昇することがあります。
また石油の価格が上昇することで、車や船舶などの物流にかかる費用も上昇し、結果物価の高騰につながります。

円安や世界情勢の影響

昨年、日本は大幅な円安に見舞われました。
これには様々な要因があります。
まず、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞や、政府の経済対策による財政赤字の拡大などが挙げられます。
これにより、投資家のリスク回避意識が高まりました。

併せて、アメリカや欧州などの先進国が大規模な財政支出や金融政策を行っていることも理由と言えます。
これにより、これらの国の経済成長が期待され、株価や債券の利回りが上昇することが予想されました。
そのため、投資家たちは、これらの国の資産に投資するために、円を売却してドルやユーロなどの通貨を買う流れとなり、これにより円安が進むことになりました。

また、中国やアジア新興国などの経済成長に期待が寄せられていることも、円安の要因の一つになっていると言われています。

今後も物価の高騰が続く見通し

2023年の4月以降も様々な商品の値上げがアナウンスされています。
下記、例として掲載させていただきます。

【サントリー:4月より】国産ワイン・輸入ワイン 一部商品の価格改定について
サントリー(株)は、国産ワイン・輸入ワインの生産者価格について、2023年4月1日(土)出荷分から一部商品の価格改定を実施します。

 当社は、高品質な商品を安定的に提供するため、これまで生産性の向上、物流合理化、諸費用の削減等、さまざまな企業努力を行ってきました。
 しかしながら、ワイン用ぶどう等の原材料、資材、輸送費、およびFOB価格※等が世界的に上昇しており、これらによるコストアップの影響を企業努力だけで吸収することは極めて厳しい状況となっています。
 このため、今後もお客様に高品質な商品を安定的に提供していくために、今回、やむを得ず価格改定を実施します。
※「Free On Board(本船渡し)」の略。現地の製品価格に積出港までの運賃を含んだ価格

 当社は、引き続き、企業努力による合理化を進め、一層のコスト削減を図るとともに、今後もお客様へ高品質な商品を通じて新しい価値を提供していきます。

― 記 ―

▼実施日
2023年4月1日(土)出荷分から
『国産ワイン・輸入ワイン 一部商品の価格改定について』より引用

【明治:5月より】価格改定のお知らせ
2023/01/31
株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)は、2023年4月1日出荷・受注分よりヨーグルト、プロテイン飲料・飲料、宅配専用商品、家庭用チーズ、家庭用バター・油脂類、スポーツ栄養(粉末プロテイン、バー)、ゼリー飲料および2023年5月1日受注分より乳幼児用粉ミルク、栄養食品(流動食)の価格改定を実施させていただきますのでお知らせいたします。

世界的な需要拡大などの影響により、海外乳原料、油脂といった原材料価格は引き続き上昇しています。さらに、原油価格高騰の影響による物流費コストや包装材価格の上昇に加え、エネルギーコストなどの諸経費も高止まりの状態が続いています。
また、飼料価格の高騰などにより生乳生産コストは上昇しており、国内生乳生産者の経営は厳しい状況となっています。こうした中、弊社は国内生乳生産者の経営状況を改善するとともに、生乳生産基盤を維持し、今後も牛乳・乳製品の安定供給をおこなっていくために、全国の指定生乳生産者団体と2023年4月1日より乳製品向けの生乳取引価格を引き上げることで合意しました。

弊社におきましては、これらのコスト上昇を吸収すべくさまざまな対策を講じてまいりましたが、現状の価格による販売の継続が難しい状況となったため、今般、下記の商品群について価格改定を実施させていただきます。
今後もコスト上昇の吸収に向けた対策を継続しておこなうとともに、引き続き安全で高品質な商品をお客さまにお届けできるよう努めてまいりますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
『価格改定のお知らせ』より引用

【日清食品:6月より】価格改定のお知らせ ~2023年6月1日(木)出荷分から~
日清食品株式会社 (社長:安藤 徳隆) は、即席袋麺、即席カップ麺*、即席カップライス*の製品価格を、2023年6月1日(木)の出荷分から改定いたします。
昨今、原材料や包装資材の価格高騰に加え、エネルギーコストも大幅な上昇が続いています。
こうした厳しい環境のもと、弊社では全社を挙げて効率化・合理化を進め、可能な限りコスト削減に取り組むことで、製品の安定供給、安全で安心な品質の確保、そして製品価格の維持に努めてまいりました。
しかしながら、自助努力だけではコスト増を吸収できない状況となり、やむを得ず2023年6月から製品の価格を改定することといたしました。
弊社としましては、引き続き経営の効率化を図るとともに、よりおいしく、より価値のある製品をお客さまにお届けできるよう努めてまいります。
何卒ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

* 「完全メシ」シリーズを除く
■価格改定実施日
2023年6月1日(木)出荷分から

■価格改定率
メーカー希望小売価格の 10~13%アップ
『価格改定のお知らせ』より引用

このように、様々な食料品の価格改定が予定されています。
食卓への影響が本当に大きそうです。

物価高騰はいつまで続くのか

上記の通り、物価高騰は2023年上半期の間は収まることはなさそうです。

しかし、2023年に入り、為替相場が円高に振れていることもあり、輸入商品によってはピークアウトしているものもあると言われています。
このため、一部食品の値上がりは少しずつ落ち着いてくると考えられています。

また、消費者もある程度の値上げは許容することは出来ても、そのうち購入することをやめてしまうと言われています。
既存のものの購入をあきらめ、より安い商品を求めるようになり、実際にそういった流れは起こり始めています。
そのため企業も、これ以上の値上げは避けたいのが本音であり、資本力のある企業は価格の据え置きや値下げに転じることも考えられます。

しかし、企業が価格を据え置きしたとしても、原油高等が解決したわけではありません。
企業はコスト減をどこかで実施せざるを得なくなり、そのしわ寄せが賃金や正社員減少につながる可能性もあり、その結果消費者の購買意欲を削ぐ結果になりかねないというリスクもはらんでいるのです。

物価高騰のメリット

物事には、メリットとデメリットがあります。
あまり触れられることのない物価高騰のメリットを敢えてあげてみたいと思います。

債務の軽減効果

物価が上昇することによって、借金や債務の返済額が実質的に軽減される効果があります。
これは、物価の上昇によって、現金が価値を失い、借金や債務の金額が実質的に減少するためです。

例えば、2,000万円の住宅ローンがある状態で物価が2倍になった際、実質的な借入は半分になります。
物価上昇前に2,000万円で購入した住宅物件が、物価が2倍に上昇するとは4,000万円で購入することとなるため、2,000万円自体の価値は半分になってしまいます。
つまり、住宅ローンの2,000万円も実質的には半分の価値になるのです。

労働者の賃金アップ

物価が上昇すると、企業は原材料や製品のコストが上がるため、製品の価格を引き上げることがあります。
この場合、労働者に対して賃金を引き上げる必要があるため、労働者の賃金がアップする可能性があります。
これは、労働者の生活水準が向上することに繋がります。

資産価値の上昇

不動産や株式などの資産価値が、物価の上昇によって上昇することがあります。
これは、物価が上昇すると、通貨の価値が下がるため、不動産や株式などの資産がより価値を持つようになるためです。
こういった資産価値の上昇は、資産を保有している人にとってはメリットとなります。

対外競争力の向上

物価の上昇によって、輸出品の価格が下がります。
これによって、海外市場での競争力が向上し、輸出量が増加する可能性があります。
また、外国からの旅行者が増えることによって、観光業などが活性化する可能性があり、実際日本には沢山の観光客が訪れています。

最後に

物価高騰は既に、企業努力ではどうしようもない所まで来ています。
そのため、政府としての対応も重要です。

そんな中、国が『低所得世帯へ現金給付』という方針を掲げました。
岸田内閣がどのような対策を行うのか、注視していきたいと思います。

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